■私の尊敬するガブリエル・シャネルの伝記という事で、期待を大にして映画【ココ・アヴァン・シャネル】を見に行きました。
■本記事では映画【ココ・アヴァン・シャネル】を見た筆者の正直な感想とあらすじを紹介しますね。
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シャネルの生涯については、昔からドキュメンタリーを見たり、本や記事を読んで大体のことは知っていたので、今回は観賞・娯楽・目の保養目的。
ちなみにタイトルの『Coco Avant Chanel』を直訳すると《シャネルの前のココ》。
この映画は「デザイナーシャネルとして有名になる以前のココ」の恋愛物語です。
Contents
映画【ココ・アヴァン・シャネル】あらすじ
ガブリエル・シャネルの生涯とは

地方の修道院で育った孤児シャネルは、パリの高級下着店でお針子として働き、その後キャバレーの歌手になります。
シャネルはそこで「ココ」と呼ばれ、上流階級の将校たちや紳士、バルサン(Etienne Balsan)やボーイカペル(Boy Capel)と恋に落ち、彼らの協力を得てパリのカンボン通りに帽子屋をオープンします。
そして、ドーヴィルやビアリッツに次々と店を出し、富裕層を相手に人脈を駆使してモード界で成功を収めます。
その成功は誰もが知るとおり。
シャネルは、女性たちをコルセットやドレスから解放し、新しい価値観とスタイルを提供して女性たちを自由にしました。
というのが、私が知っているガブリエル・シャネルの半生ですが・・・。
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【ココ・アヴァン・シャネル】あらすじ
シーンはフランスのとある修道院から始まります。
子供の頃、ガブリエル・ボヌール・シャネルは、毎週日曜日になると、姉のエイドリアンと2人で置き去りにされた孤児院で、二度と迎えに来ることのない父親を待っていました。そこは、厳格なシスターたちが暮らす修道院でした。規則正しいシスターたちとの生活が、後にシャネルの人生に大きな影響を与えます。
年頃になったシャネルと姉は、昼間はお針子として働き、夜は酒場で歌い踊って生活の糧を得ていました。そこで2人は、人生を変える運命の男たちと出会います。
エイドリアンは男爵と恋に落ちてパリ近郊で彼と暮らし、ココは裕福な馬主エティエンヌ・バルサンの愛人となり密会を重ねました。
バルザン:「ジャップ」を知っているか、日本だ。
ココ:もちろんよ。
バルザン:日本には芸者がいてなぁ、芸者って知ってるか、芸者は男のためになんでもするんだぞ。
ココ:奴隷みたいね。
こんなたわいも無い会話をしながら、ベッドで手首のカフスボタンをはずさせようと、ココの上に覆いかぶさってくるバルサンに嫌気がさしていたのではないでしょうか。
ある日、訪れたドービルの競馬場で姉のエイドリアンに再会します。ココは愛人バルザンに可愛がられながら貴族の生活に没入していきます。
そんな時、ココの前に現れたのがボーイカペル。のちに「シャネルの最愛の男性」となる人物です。
ボーイは乱痴気騒ぎに興じるバルザンとちがって、影のある人でした。
シャネルはボーイカペルに「もう少し一緒にいたい」と懇願。こうして2人は一夜を共にします。
その夜、2人は狂ったように愛し会いました。
舞台はドービルの海。フランスの田舎の素朴な景色やシャネルのマニッシュな装いが素敵です。
レースやフリルでふんだんに飾られた白いドレスを身に纏い、パールのロングネックレスを重ね付けした上流階級の女たちを見て、「まるでお菓子屋さんにいるみたい」と呆れたように言い放つシャネル。
ボーイとシャネルは、ドービルで情熱的に愛を育みました。
ボーイ・カペルはシャネルをパリへ連れて行くと、彼女のために帽子のアトリエを開きます。
※実際にココが一緒にキャバレーで働いたのは従妹であり、初めての店はカンボン通りではなく愛人だったバルサンの後ろ盾で別の場所にオープンさせています。
【ココ・アヴァン・シャネル】作品情報
■Coco avant Chanel 【ココ・アヴァン・シャネル】
タイトル和訳:シャネルの前のココ
ジャンル:ドラマチックコメディ
105分
2009年フランス
原作:エドムンド・シャルル・ルー
監督: アン・フォンテーヌ (Anne Fontaine)
主演 :オードリー・トトゥ (Audrey Tautou)
出演:ブノワ・ポールボールド、アレッサンドロ・ニヴォラ
【ココ・アヴァン・シャネル】正直すぎる私の感想

【ココ・アヴァン・シャネル】感想
正直言ってこの映画、とてもつまらなかったのです。
途中から眠くて眠くて仕方なかった・・・。
薄~い内容に、下世話な展開、シャネルに関する有名なシーンを再現して寄せ集めただけのパッチワークのような流れ。
そして、何より主演女優のオドレイ・トトゥが、全然可愛くないくて。役作りとして可愛げのないシャネルに似せたのだろうけど、元がかわいくないし、エレガンスがない!
やぼったい!
見るんじゃなかったよー!
私の毒舌は、お許しくださいね。
ガブリエル・シャネルについて、全く知らない人が見たら 『なるほど。これがあのシャネルの半生なのか。。。』と思うのかもしれませんが。
う~ん、これはないんじゃないの、というくらい個人的には残念な映画でした。
【ココ・アヴァン・シャネル】はこんな人におススメ
しかしながら、シャネルが大好きでシャネルに関する全ての映画に目を通したいという方は、一度見ておいて損はないと思います。
また、単なるドラマチックコメディーとして見るとかなり豪華で、衣装や映像の美しさはこの映画の大きな見所。
この映画を見て、フランスに行きたくなる方も多いのではないでしょうか。
そして、映画アメリの主演女優として一躍有名になった「オドレイ・トトゥ」が大好きという方には、絶対におすすめできる映画です。
次のインタビュー を読めば、「ココ・アヴァン・シャネル」を見て、私がオドレイ・トトゥを可愛くないし野暮ったいと感じた理由が、少し理解できるはずです。
【ココ・アヴァン・シャネル】インタビュー
オドレイ・トトゥのインタビュー

Q: ココ・シャネルはモード界に影響を与え、今でも影響を与え続けています。
あなたにとってココ・シャネルとは?
私にとって、シャネルはモダニズムを代表する女性よ。
Audrey Tautou, vidootv, Montréal 2009
彼女は人と異なり前衛的で、素材のすべてを引き出すことに成功した。
私たちはその恩恵を今も受け継いでいるわ。
Q: あなたにとって現代的な女生とは?
自立した自由な、 従順ではない女性ね。
Audrey Tautou, vidootv, Montréal 2009
アン・フォンテーヌ 監督のインタビュー

Q: シャネルの役を具体化するために、オードリー・トトゥのどんなところに目を付けましたか?
彼女に会った時、それは印象的だったわ。
カリスマの鋭気が混在した、あるいは小さな黒い雄牛みたいな、若い頃のガブリエルシャネルの写真とそっくりだった。コレットはシャネルのことを、小さな黒い雄牛のようだと書いているのよ。
それで私たちは優美で繊細な体型の女優を必要としていたの。彼女ははじめての中性的な女性だった。
Anne Fontaine, vidootv, Montréal 2009
シャネルは、女性が豊満だった時代の基準とはかけはなれた体で自分のスタイルを構築した。
それを知らなければ、シャネルを理解することはできないわ。
シャネルはほとんど少年のようだったのだもの。
これらのインタビューから、映画『ココ・アヴァン・シャネル』は、「スクリーン一杯に映し出されるヒロインの美しい顔が観客を魅了する」類の作品ではないとわかりますね。
映画が映し出すのは「従順ではなく粗野で、屋敷の中を裸足で歩き回る小さな黒い雄牛のようなシャネル」であり、それがココ・シャネルという人物を理解するための「鍵」だったのです。
映画【ココ・アヴァン・シャネル】最後に
いかがでしたか。私の毒舌はお許しいただけたでしょうか?
この映画は、ファッション愛好家やモードの専門家を満足させるために撮られたわけではありませんでした。
私が特に興味を持っていた「シャネルの歴史的大人物としての側面」には一切フォーカスせず、ピカソ、ジャンコクトーら名だたる芸術家との華やかな交流も描かれていません。
しかしながら、何者でもなかった孤児院出身のシャネルが頭角を表す以前の、彼女のキャリアを切り開くきっかけとなる「恋愛」に焦点を当てた「娯楽映画」として、ぜひ楽しんでくださいね。

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